2010 Fiscal Year Annual Research Report
土地利用形態変化に伴う地域気候変動に配慮した地域・建築計画指針に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21560660
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 健次 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (60259877)
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Keywords | 微気候 / 微気候変動 / 土地利用形態 / 造成開発 / 気象観測 / ヒートアイランド |
Research Abstract |
調査対象とする造成事業は、当初平成22年度より約5年間の用地造成工事を予定していたが、より細かな環境影響評価の要望に加え、先年の経済ショックの影響もあり、スケジュールに遅れが出ている。現在のところ平成23年度からの造成開始が予定されている。従って、本来造成前の観測を既存の観測調査を含め3年分のデータで評価しなれればならなかったが、平成22年度の観測を加え、より充実した開発前データの収集が可能な状況となった。着工前の実態把握及び造成工事段階の変容を捉えることは、その後の周辺気候に対する影響分析において極めて重要であることから、平成22年度の研究では引き続き土地造成開始前である里山及び農地の状態の地域の熱環境形成の実態を明らかにすることを目的に気候観測を実施し、造成前の気候環境評価の充実を図った。観測の方法は、定点観測と移動観測を基本とした。具体的には、定点観測は、造成予定地を取り囲むように10箇所程度の観測点を設定し、可動型の気象観測システムにより、気温・湿度・風向・風速・降雨量・日射量などを30分間隔で連続観測した。移動観測は、冬季における典型的な季節日を対象に、日の出前、日中日没後の3回を最低回数として、気温・湿度・風向・風速に関して観測を実施した。観測ルートは、造成予定地を周回する主要道路及び予定地内を横断する主要道路を網羅し、1ルートを1時間以内に測定し終えることを条件に最低5ルートを設定して実施した。 その結果、造成予定地の東部に位置する里山を中心に確認されていた低温地域が、周辺地域に対する冷却効果を果たしていることが確認され、今後の造成開発による排熱・蓄熱源化により、地域の微気候変動の可能性が高いことが示唆された。
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