2011 Fiscal Year Annual Research Report
透過電子顕微鏡その場計測システムの開発とナノエレクトロニクスへの応用
Project/Area Number |
21560681
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有田 正志 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20222755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 庸夫 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90374610)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250479)
柴山 環樹 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10241564)
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Keywords | 電子顕微鏡 / その場計測 / 単電子デバイス / 磁気抵抗効果 / 抵抗変化型メモリー |
Research Abstract |
次世代デバイスの開発に向けて多くの基礎・開発研究がなされているが,いずれもナノスケールでの現象が基本となっている.従って電気伝導計測とTEM観察との同時実験は,デバイスの幾何学的要素と電気特性との直接対比に繋がり意義深い.本研究では,市販のTEMでこれらを可能にするために必要なシステム開発を行うとともに,各種素子に関しての基礎物理の解明を行うものである.研究の最終年度にあたり,本年は抵抗変化メモリ(ReRAM)動作,ナノ粒子系の磁気抵抗効果(MR)を主な対象として研究を展開した. (1)特殊仕様のTEM-STMホルダー開発 : 電流制限回路を有するTEM-STMホルダーのプロトタイプが完成した.これにより,ReRAMスイッチ時における素子の破壊を激減させることが可能になった. (2)ReRAM抵抗スイッチの動作原理解明に向けたスイッチ動作時の構造変化観察:前年度に得られた結果を基に,NiOおよびGe-S-Cu固体電解質薄膜における導電フィラメントの形成・消失と抵抗スイッチとの関連について調査を行い,フィラメント形成により電気抵抗が減少しOn状態となることを実験的に明確化した.解析結果を国内外で発表し,2件の招待講演,論文執筆(うち2件の招待論文)を行った. (3)軟磁性グラニュラー膜の低温磁区構造と電気特性:前年度に作製した低温-電気測定TEMホルダーを用いて,液体窒素温度付近での磁化微細組織と磁気抵抗効果の相関について調べた.MgO-Fe-MgO膜をにおいて,1.2nm以下のFe膜厚においてFeナノ粒子が分散されトンネル伝導を示すが,粒子間の相互作用により巨視的な磁区を構成することが分かった.低温においてはこの磁区が強固になり,磁化反転に大きな磁場を要する.これがトンネノレMRに異方性MRが重畳した磁気抵抗曲線の源となっている事が判明した. 国際会議において発表を行った.
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Research Products
(24 results)