2010 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導/常伝導積層構造薄膜における従来理論から予測できない臨界温度変化の機構解明
Project/Area Number |
21560689
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
土井 俊哉 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30315395)
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Keywords | 超伝導 / 超電導 / 二ホウ素化マグネシウム / MgB_2 / 臨界温度 / Tc |
Research Abstract |
我々は、金属間化合物超伝導物質MgB_2にO抵抗で流すことができる電流密度(Jc)を向上させるために、MgB_2に様々な物質のナノレベル構造体(粒子や層)を挿入して、MgB_2内部に侵入する量子化磁束線のピン止めについて研究を行ってきた。その中で、MgB_2/NiおよびMgB_2/B多層膜において超伝導転位温度(Tc)がMgB_2層厚の逆数に対して直線的に減少するという奇妙な現象を発見した。この現象は従来の超伝導理論では説明することができなかった。 そこで、この原因を調べるためH21度の研究では超伝導物質層の厚さを10~50nm変化させて,超伝導物質/非超伝導物質多層膜を作製し,そのTc,Jcなどの超伝導特性を評価した.本年度は,これまでの研究で使用していたシリコン単結晶基板に代えて,ニオブ基板上にMgB_2単層膜とMgB_2多層膜を形成した。得られたMgB_2単層膜とMgB_2多層膜のTc測定を行った結果,単層膜のTcはシリコン単結晶基板上に作製した場合と同じ31K程度であった。Nb基板上に作製したMgB_2多層膜のTcは,Nb基板上に作製したMgB_2単層膜のTcよりも低くなっていたが,シリコン基板上に作製した同じ構造の多層膜のTcよりも低い値であった。この結果は多層膜のTcに基板の種類が影響を与えることを示唆しているが,今後,実験結果の再現性などを含めて詳細に検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)