2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560691
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
橘 勝 Yokohama City University, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80236546)
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Keywords | グラファイト / カーボンナノウォール / プラズマCVD / リチウムイオン二次電池 / ナノグラファイト / 燃料電池 |
Research Abstract |
21年度は大きく分けると下記の4つの成果が得られた。 (1)成長メカニズムかに関して、成長初期ではグラファイトのベーサル面が基板に平行に成長し、その後ある時点で、垂直に転移すること明らかとなった。さらに、このようにベーサル面が平行から垂直に転移する際に、新たな結晶相が形成されることを明らかにした。この結晶相の詳細な構造は未だ明らかになっていないが、成長初期において基板に平行なベーサル面を含んだ結晶粒が大きく成長し、それらが互いに衝突することによって高圧状態が形成され、その境界領域から基板に垂直なベーサル面からなるCNWが成長しはじめるものと考えられる。これらの結果はCNWの成長制御において重要な知見となる。 (2)CNWのサイズやそれを構成している結晶子(ナノグラファイトドメイン)のサイズの制御に関して、プラズマCVDにおける放電電流、CH4とH2のガス流量比を系統的に変えることによってサイズが変化することを明らかにした。特に、CNWの重要な特徴である結晶子サイズを、5nmから50nmの範囲で制御することに成功した。これらの制御は、リチウムイオン二次電池や燃料電池の電極材としての最適化において大変重要である。 (3)CNWの熱処理による改質に関して、1000K程度の焼鈍によってCNWの表面に形成されるアモルファス層が取り除かれることを明らかにした。この表面のアモルファス層はCNWをリチウムイオン二次電池負極材として用いた場合には不可逆容量の原因になること考えられる。したがって、今回得られた適切な温度、雰囲気での焼鈍によるアモルファス層の除去方法は、電池電極への応用において重要な手法となる。 (4)CNWの電極材への応用研究に向けて、装置システムの構築を行った。これにより詳細な電極応用実験が可能となった。
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