2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560691
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
橘 勝 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80236546)
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Keywords | グラファイト / カーボンナノウォール / プラズマCVD / ナノダイヤモンド / ナノグラファイト / 燃料電池 |
Research Abstract |
22年度の主な研究実績として以下の3つが上げられる。 (1)dcプラズマCVD法によるカーボンナノウォール(CNW)の成長メカニズムを解明するために、22年度は成長初期過程すなわちCNWの成長前の薄膜形状および構造を調べた。結果として、最初の5秒間に3nm程度のナノダイヤモンド(ND)が形成され、その後、NDを覆うように直径80nmで厚さ8nm程度の円盤状のナノグラファイト(NG)が形成されることがわかった。これらのNGは蒸着時間とともに融合してグラファイト薄膜に成長する。 これらの結果は、dcプラズマCVD法によってCNWだけでなくNDやNGといったナノカーボンの生成やそれらの複合体の生成も可能であることを示している。本成果は、dcプラズマCVD法の応用範囲を広げるものであり、実用的にも大変意義がある。 (2)CNWに限らずナノカーボンの電池電極などへの応用研究に向けて大量合成法の開発は最重要課題の一つである。これまでにも100×100mm^2の大型基板上へのCNWの生成に成功しているが、22年度はプラズマCVD装置の試料室の大幅な改良によりさらに大量のCNWの生成が可能となった。具体的には、1日あたり40mg以上のCNWの生成が可能となった。本改良装置を用いることにより、CNWの基礎および応用研究が格段に発展するものと期待できる。 (3)本研究課題の最も重要な応用研究の一つとして目的としていたCNWの燃料電池電極への応用研究を開始した。まず燃料電池特性評価システムを構築した。さらに、CNWに限らず生成量の少ないナノカーボンを用いた燃料電池電極の特性評価を容易にするために電極面積の小さい1×1cm^2標準電極の作製法および測定法を確立した。さらに、実際に、CNWへの白金担持を通常の溶液還元法により行った。CNWに担持された白金の粒子サイズ、分散状態の評価および電気化学測定を行った。予備的な実験ではあるが、結果として、CNW特有の担持状態が確認され、白金の利用率も比較的高く、応用の可能性が示された。
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Research Products
(8 results)