2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリカナノ粒子のアンカー効果を利用した安全で安心な難燃剤と光安定剤の創製
Project/Area Number |
21560711
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪川 紀夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20018675)
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Keywords | シリカナノ粒子 / シクロホスファゼン / 表面グラフト / アミノ基 / リン系難燃剤 / 酸素指数 / ブルーミング / アンカー効果 |
Research Abstract |
昨年度はシリカナノ粒子表面へのハロゲン系難燃剤の固定化法を確立した。そこで、本年度は、シリカナノ粒子表面への環境負荷の少ないリン系難燃剤の固定化と、この様なシリカを複合化したエポキシ樹脂の難燃性について検討した。 シリカナノ粒子表面へのリン系難燃剤の固定化は以下のように行った。まず、シリカ表面のシラノール基をシランカップリング剤で処理することにより、粒子表面ヘアミノ基を導入した。ついで、シリカ表面へ導入したアミノ基とヘキサクロロトリホスファゼンとの反応により、粒子表面ヘクロロシクロフォスファゼン(PH)基を導入した。さらに、粒子表面のPH基とリン系難燃剤のビス(4-アミノフェノキシ)フェニルフォスフィンオキサイド(BAPPO)のアミノ基との反応による、粒子表面へのBAPPOの固定化について検討した。なお、シリカナノ粒子表面へのBAPPOの固定化の確認は、元素分析、FT-IR、TGA、および熱分解GC-MSにより行った。 その結果、上記の方法で、シリカナノ粒子表面へBAPPOが固定化できることが分かった。また、BAPPOを固定化したシリカはエポキシ樹脂中へ容易に、しかも均一に分散することが分かった。 そこで、BAPPOを固定化したシリカを充填したエポキシ樹脂板を作製し、その難燃性を未処理のシリカや固定化しないBAPPOを添加したエポキシ樹脂の難燃性を酸素指数により評価した。その結果、添加するBAPPOの量が同じでも、BAPPOを固定化したシリカを添加したエポキシ樹脂の難燃性の方が大きくなることが分かった。また、遊離のBAPPOを添加したエポキシ樹脂からは、BAPPOが容易に溶出するのに対して、BAPPOを固定化したシリカを添加したエポキシ樹脂からのBAPPOの溶出はほとんど認められなかった。したがって、シリカナノ粒子がエポキシ樹脂中で有効なアンカーとして作用することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)