2010 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性剤の自己組織化を用いた機能性複合ゲルの創製
Project/Area Number |
21560713
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鴇田 昌之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80163963)
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Keywords | ゲル / 界面活性剤 / 相転移 / 自己組織化 / 構造形成 |
Research Abstract |
1.界面活性剤水溶液の相図 典型的な非イオン性界面活性剤であるTriton X-100ならびにTriton X-114水溶液系の相図を決定した.これらの非イオン性界面活性剤は特に生化学分野で蛋白質の可溶化に利用されている.広い濃度範囲に亘って水溶液を調製し,その曇点を測定した.得られた結果は,両者ともに下限臨界完溶温度を有する溶液系であることを確認した.臨界点はTriton X-100では,3.0g/100ml,64.9℃であることがわかった.Triton X-114の臨界点はまだ確定できていない 2.ゲルの相図 界面活性剤の相図を決定するのと並行して,ゲルの相図を作成した.試料にはアクリルアミドゲル,カラギーナンゲル,アルギン酸ゲル,アガロースゲル,ゼラチンゲルを選んだ.いずれの系においても,濃度を可能な限り広く変え,ゲル化温度や曇点,場合によってはスピノダル温度を決定した、アクリルアミドゲルにおいては,ある条件下で表面パターンが形成されることを見いだした.このパターンは温度を調整することによって変化させることができることを見いだし,これを報告した。アガロースゲルにおいては,ゲル化と相分離がカップリングしていることを見いだした.これについては投稿準備中である.カラギーナンとアルギン酸ゲルではリーゼガングパターンや形態の自己組織化が起こることを見いだし,詳細を研究中である 当該研究を遂行するうち,本来の目的はもちろんのことであるが,これに付随した興味深い現象を数多く発見した.これらの現象は将来の発展的なテーマとなりうるものであると考えている
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