2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ナノ材料を用いる自己修復性耐候コーティングの開発
Project/Area Number |
21560747
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢吹 彰広 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70284164)
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Keywords | ナノ材料 / 自己修復性 / コーティング / 皮膜 / アルミニウム / マグネシウム / 腐食 / 防食 |
Research Abstract |
本年度は従来のクロメート処理に変わる新規な自己修復コーティング開発のため,金属材料の防食に有効な各種形状の異なるナノ材料と有機修復剤の最適なペアの探索を行った。さらに,金属材料に対するコーティング条件の検討を行った。実施内容は以下のとおりである。 1. ナノ材料と有機修復剤の探索:ナノ材料として粒子,フレーク(薄片),ファイバー状のものを,有機修復剤については環境とコストを考慮したものを選定した。金属材料とこれらの材料を食塩水溶液(腐食試験液)に浸漬させた後,金属材料の質量損失および試験後の表面状態の観察を行い,防食効果を確認したところ,チタニア粒子-芳香族系,シリカ粒子-リン酸カルシウム系の組み合わせが有効であることが分かった。チタニア粒子-芳香族系の組み合わせでは環境のpH変化によって有機物が吸脱着することがゼータ電位および水晶振動子マイクロバランス法(QCM)による測定より確認された。シリカ粒子-リン酸カルシウム系では不完全ながらも,良好な防食皮膜の形成が観察された。 2. コーティング条件の検討:ナノ材料と有機修復剤を混合した溶液を材料表面にコーティングしたところ,平滑な膜が得られたものの密着性に劣った。そこで,これらを有機系樹脂(ビニルエステル樹脂),水系樹脂(エポキシ樹脂)のいずれかに混合し,良好に分散できる樹脂の選定を行った。その後に材料表面ヘスピンコータ,バーコータ,ディップ法によるコーティング試験を行い,密着性のある膜を得ることができた。
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