2010 Fiscal Year Annual Research Report
核発生を利用した新しい結晶性カプセルの作成法に関する基礎研究
Project/Area Number |
21560782
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
前田 光治 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00264838)
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Keywords | Crystal capsule / Co-crystals / Anti-solvent / Co-solvent / Molecular dynamics / Cluster / Nuclei / Spray dry |
Research Abstract |
本研究は,核発生を利用して様々な成分を結晶核でカプセリングする方法を開発するための基礎研究であり,1)カプセリング現象の把握と操作,2)脱カプセリング現象の把握と操作に分けられる. カプセリング操作でのポイントは,非カプセリング成分を結晶核の芯にすること,非カプセリング成分に対して結晶核カプセル成分,溶媒,貧溶媒から成る溶液環境を強力な熱力学溶液モデルにより推定すること,微小液滴相とバルク溶液相の混合操作方法にあると考えている. 脱カプセリング操作でのポイントは,いろいろな溶液環境におけるカプセルの温感性を測定し,人工的に超高圧,放射線,超音波,電磁波などによる結晶核カプセルの分解性能にあると考えている. 平成22年度の研究では,電解質である塩化アンモニウムが溶解した水溶液,脂肪酸であるパルミチン酸が溶解したエタノール水溶液をスプレーで混合する相互貧溶媒晶析法を検討した. 両方の原料溶液中の塩化アンモニウム/パルミチン酸の濃度比と噴霧前後に得られた混合結晶中のの塩化アンモニウム/パルミチン酸の濃度比の関係を検討した結果,すべての混合結晶で分離係数1以下であることがわかり,混合結晶中の塩化アンモニウムの濃度比が噴霧前の溶液中より減少することがわかった.また,その減少率は塩化アンモニウムの溶液濃度が低く,パルミチン酸の溶液濃度が高いほど大きくなる傾向があることがわかった.また,X線分析の結果から偏析しない小さな(100[μm]以下)混合結晶が得られることがわかった.
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