2010 Fiscal Year Annual Research Report
高感度指向性ボアホールレーダによるき裂や断層の3次元位置形状計測法の開発
Project/Area Number |
21560849
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
海老原 聡 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (20301046)
|
Keywords | ボアホールレーダ / 指向性 / アレーアンテナ / イメージング |
Research Abstract |
本年度の研究成果を以下に列挙する。 1. ダイポールアレーアンテナによる3次元イメージング法の開発 送受信アンテナを同一坑井に挿入するシングルホール計測を行うことを考えて、送受信アンテナ間の間隔を一定のまま深度方向に微小に変位させて得た2深度のアレーデータで、地中にある反射点の3次元位置推定をし、さらに、目標物体が平面であると仮定して、物体の3次元イメージング法を開発した。レイトレーシング理論によると、目標物体からの反射波で推定される反射点の位置は送信アンテナと受信アンテナの給電点を焦点とする楕円上に存在する。物体が面状であり、波が反射点で反射するならば、反射点で楕円に接する接平面が目標物体の形状と考えることができる。このとき、目標物体である平面の法線は解析的に求めることができる。計算機シミュレーションにより、目的通りの推定ができることを確認した。 2. フィールド実験フィールド実験は福井県中竜鉱山内の実験場で行った。本実験場はスカルンを母岩とし、断層が存在していることが確認され、この断層を貫通するように坑井が掘削されている。本研究で提案する3次元イメージングを可能にするため、レーダの測定深度間隔を2cm、アンテナ素子数を5素子に増加させた上で、2010年9月にレーダ計測を行った。各深度で反射点の位置を推定し、その点における面の傾きを計算した。坑道壁面での目視による観察、ボーリングコアから予想される断層の位置・形状と本研究による推定結果を照合したところ、両者は調和的であることがわかった。
|