2011 Fiscal Year Annual Research Report
高感度指向性ボアホールレーダによるき裂や断層の3次元位置形状計測法の開発
Project/Area Number |
21560849
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
海老原 聡 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (20301046)
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Keywords | ボアホールレーダ / 指向性 / アレーアンテナ / イメージング / 地中レーダ |
Research Abstract |
本研究では、開口幅1mm程度以下のき裂や断層を、1本の坑井で、坑井から数m~数十mの範囲で3次元位置形状計測が可能な指向性ボアホールレーダ(同軸型レーダ)を開発し、その有効性をフィールド実験によって実証することを目的とした。今年度は、次の2点の内容が成果である。 第1点は、これまで成功している高周波数帯(例えば100~300MHz)だけでなく、低周波数帯(例えば10~100MHz)でも同時にき裂や断層の3次元イメージングが可能な同軸型レーダの設計・試作と実験による実証をした。電子回路部分を長さ40cmの導体円柱に収納することで、導体円柱とアンテナ間の干渉を抑圧することに成功し、広帯域化を図ることができた。花崗岩中の坑井に試作したアンテナを挿入し、坑井外から平面波を入射させる実験によってアンテナの有効性を実証した。 第2点は、既存の地質構造に関する情報が豊富な鉱山で、3次元的な位置形状が予想されているき裂や断層などの目標物体が存在する場所を選定し、開発した同軸型レーダによって3次元的にき裂や断層を推定した。さらにこの推定結果と他の計測法による結果と比較検討した。具体的には、アレー信号の処理を計算機上で行うことで物体の位置・形状推定を行った。断層やき裂は無限平板の誘電体と考えることで散乱中心の位置を推定した。同軸型レーダでは、ゾンデの深度が1つだけで散乱中心の3次元位置を推定できる。ゾンデの深度を変化していくことで、散乱中心の3次元的な位置変化を追尾していき、物体の形状をとらえるアルゴリズムを開発し、適用した。
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