2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560857
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学史研究所, 教授 (20237506)
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Keywords | ECCD / Heliotron J / Fisch-Boozer効果 / Ohkawa効果 / 捕捉粒子 |
Research Abstract |
非誘導駆動電流の制御は高性能プラズマの実現や定常プラズマ維持に向けての重要な課題の一つである。ECCDはオーミック電流を用いない非誘導電流駆動プラズマの定常維持に利用されており、ヘリカル系においてもブートストラップ電流の抑制、回転変換分布制御が期待されている。線形理論によればECCDの電流駆動は低域混成波電流駆動と同程度の駆動効率が予測されたが、実際の駆動効率は1桁程度低く、その物理機構は明確にはなっておらず、電流駆動効率低下の要因を探ることは、電流駆動のための入射パワーを低減するために必要不可欠である。本研究では、新しく開発した入射システムを用い、Heliotron Jにおいて70GHz第2高調波X-modeによるECCD実験を行った。集束したガウスビームを生成するとともに制御性の向上によってN_II依存性が調べられるようになり、ECCDの物理過程に関する理解が進むことが期待される。プラズマ実験結果はEC駆動電流がN_IIによって制御できることを示すとともに、磁場配位に強く依存することを示した。EC駆動電流が最大となるのはN_II=0.5でECパワーが磁場リップルの山近くにおいて吸収される条件のときである。この電流値はこれまでのリップルトップ加熱の場合の約半分程度の値であり、ECCDが磁場リップルでのパワー吸収位置に強く依存していることを示している。また、磁場リップルの谷の近くで吸収される場合はEC駆動電流はN_IIに関係なくほぼゼロとなった。EC電流の増加に従ってECE信号の急激な増大が観測されており、高エネルギー電子がECCDと高い相関を持っている結果が得られている。平行運動量を保存するTRAVIS計算コードを用いた理論計算結果は実験結果と定量的に良い一致を示し、捕捉粒子の効果について明確な示唆を与えた。EC駆動電流値は数kAと小さいものの局在化しているため磁気軸中心近傍で駆動される場合は回転変換分布を十分に変えることがわかった。
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Research Products
(16 results)