2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマ中における高密度プラズモイドの非拡散的輸送機構
Project/Area Number |
21560863
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
坂本 隆一 National Institute for Fusion Science, 准教授 (10290917)
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Keywords | プラズマ核融合 / 固体水素 / 溶発 |
Research Abstract |
高速カメラを用いたステレオ視観測と2次元バンドルファイバアレイによる高時間分解能観測を相補的に組み合わせることによって,高温プラズマ中に入射した固体水素ペレットが溶発して形成される高密度な溶発プラズモイドの非拡散的輸送に関する研究を遂行した.具体的には,フォトダイオード信号用デジタイザのチャンネル数を充実させることによって,バンドルファイバアレイで観測可能な領域を拡張して溶発プラズモイド動態を観測した.その結果,固体水素ペレット入射方向の発光位置変化に加え,それとは異なる方向への高速な発光位置変化を観測した.高速カメラ観測との比較から,前者は固体水素ペレット周囲に形成される溶発プラズモイドの移動,後者は溶発プラズモイドから分離し,弱磁場側へ加速されるプラズモイドと推定される.各チャンネルの発光強度変化は多くのスパイク状発光から構成され,一つ一つのスパイク状発光が分離プラズモイドに相当していると考えられる.このスパイク状発光の数から,溶発プラズモイドが分離する周波数は100-150kHzとなる.また,異なるチャンネル間の対応するスパイク状発光の時間差から見かけ上の速度は10km/sに達し,最終的には減速することを明らかにした.この分離・加速されたプラズモイドの寿命は20μs程度であり,分離プラズモイドは20cm程度の距離を移動し,粒子を非拡散的に輸送していると推定される.この非拡散的輸送の距離は,固体水素ペレット入射前後のプラズマ密度の差から求められる実効的な粒子デポジションピーク位置と固体水素ペレット溶発ピーク位置との差を説明でき,プラズモイドの非拡散的輸送理解の重要性を示している.
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Research Products
(1 results)