2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマ中における高密度プラズモイドの非拡散的輸送機構
Project/Area Number |
21560863
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
坂本 隆一 核融合科学研究所, 准教授 (10290917)
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Keywords | プラズマ核融合 / 固体水素 / 溶発 |
Research Abstract |
高速ステレオカメラとバンドルファイバアレイを用いた観測を同位置から同時に行うことによって,ペレット溶発動態を高空間分解能かつ高時間分解能(>1MHz)で相補的に3次元観測するシステムを構築し,LHDプラズマに入射した固体水素ペレットの溶発動態の3次元観測を行った.その結果,高速ステレオカメラで観測されていた「ペレット溶発プラズモイドの低磁場側への間欠的な分離加速」を示す画像は,おおよそ10μs毎に溶発プラズモイドから分離・加速するプラズモイドの存在を示すものであることが確定された.この間欠的に分離加速される分離プラズモイドが10-30km/s以上の速度まで加速し,数10μsの寿命の間に約20cm程度移動するという観測結果はこれまでの結果と整合している.また,ターゲットプラズマ温度を0.5~2.0keVまで変化させてペレット入射実験を行い,ペレット溶発挙動を観測した.プラズマの温度が低くなると固体水素の溶発率が下がるため,ペレットのプラズマへの侵入長は増加するが,このような条件下でも溶発プラズモイドは同様に10μs程度の周期で分離していることが観測された.しかしながら,分離後の加速を示す明確な兆候は見られないことから,溶発プラズモイドの分離現象とそれの加速現象は必ずしも同時には発現しないことが示唆される.このことは,ターゲットプラズマ温度が低い場合はペレット溶発位置と粒子デポジション分布が一致するようになるという観測結果とも矛盾が無い.すなわち,溶発プラズモイドの分離現象はペレット溶発に伴って常時起きているが,分離プラズモイドが加速するか否かはターゲットプラズマ温度に依存しているように見える.実効的な粒子デポジション分布を推定する為にはプラズモイド加速に影響を及ぼす要件を明らかにすることが重要となる これらの研究成果をまとめ,プラズマ物理に関する第37回欧州物理学会およびプラズマ・核融合学会第27回年会にて研究成果報告を行うとともに,学術雑誌への論文投稿を行った
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Research Products
(3 results)