2012 Fiscal Year Annual Research Report
アセンブリー・ルールによる植物群集の予測:ニホンジカによる被食下の極相植生
Project/Area Number |
21570017
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小池 文人 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (20202054)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 群集予測 / 生態特性 / ニホンジカ / 食害 |
Research Abstract |
ニホンジカの増加により,北海道から九州までの奥山から里山に至るさまざまな地域で植生が変化しつつある.シカが食べる植物には明らかな嗜好性の差があり,シカが少なく被食圧が低い状態でも頻繁に食害される植物種と,被食圧が高まった状態でのみ被食される植物種が存在する.このような選択的な被食は植物の種どうしの競争関係に影響を与え,植生が変化する.この研究ではシカの嗜好性も植物種の種特性のひとつとして取り入れることにより,極相の植物群集をアセンブリールールで予測した.屋久島(亜熱帯林~照葉樹林)と北海道(夏緑林上部~北方林下部)の2つの地域を対象にし,植物の種特性としてシカの嗜好性のほかに最大高と耐陰性を測定した. 群集予測の結果から,あるひとつの植物種の優占度は,競合する他種が消失することにより被食圧とともに上昇するが,当該の種が食害を受けるレベルになると優占度が低下するのが一般的なパターンであった. 被食圧の変化に対応した植物群集の変化は,優占種に対するシカの嗜好性によって成りゆきが大きく異なった.優占種が高嗜好性で食害を受けやすいケースでは,被食圧の上昇とともに林相が交代した.その中では,より高い高度にみられるような群集が成立することもあり,また嗜好性が低く食害されにくい外来種による陽樹林が成立することもあった. 他方で極相林の優占種の嗜好性が低くシカの食害を受けにくい場合は林相の変化が少なく,被食圧の上昇と共に構成種が順次欠落して行った.ただし,競合種の消失により不嗜好性の陽性植物の優占度がいったん上昇する現象がみられた. 中程度の被食圧下で山奥の高標高地にみられる植生と類似した群集が成立するケースもあるため,現存する植生の中には,過去のシカ食害を重要な要因として成立したものが存在する可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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