2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570075
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本川 達雄 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80092352)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 硬さ可変結合組織 / キャッチ結合組織 / 棘皮動物 |
Research Abstract |
硬さ可変結合組織は、軟状態、標準状態、硬状態の3つの状態の間で、力学的性質の変化を示す。“標準→軟”の変化を引き起こす新規タンパク質(分子量20kDa)をナマコ体壁真皮の硬さ可変結合組織から単離し、softeninと命名した。 界面活性剤で処理して細胞を破壊することにより作成した「体壁真皮の細胞破壊モデル」と、さらにそれを凍結融解処理した「凍結融解モデル」とを作成し、前者は標準状態に、後者は軟状態に対応することを確かめた後、前者にソフニンを作用させると軟化した。後者にテンシリン(ナマコ真皮由来の“軟→標準”を起こすタンパク)を作用させると“軟→標準”が起こり、そこにソフニンを与えると再度軟化した。テンシリンは単離したコラーゲン繊維懸濁液を凝集させることが知られているが、懸濁液にソフニンを加えると凝集は分散した。 軟、標準、硬の3状態の電子顕微鏡像を比較したところ、“軟→標準”ではコラーゲン繊維が太くなっており、“標準→硬”では、繊維間に架橋が多数観察された。以上の結果をもとに、ナマコ真皮の硬化は2段階で起こり、“軟→標準”ではテンシリンの作用によりコラーゲン微繊維が集まって太い繊維となり(これはソフニンで拮抗される)、“標準→硬”では太くなった繊維間に(NSFによる?)架橋ができる、という分子機構を提案した。私はこの3月に定年になり、この後、硬さ可変結合組織の仕事を引き継ぐ人間は、当分出ないと思われるが、定年までに、硬さ変化機構の大きまかな見取り図を提案できたことに満足している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)