2011 Fiscal Year Annual Research Report
スルホベタイン類によるタンパク質凝集防止機構の解明と不安定タンパク質への応用
Project/Area Number |
21570108
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
若松 馨 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40222426)
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Keywords | メカニズム / 運動性 / オスモライト / 分子サイズ / 溶解度 |
Research Abstract |
タンパク質の凝集は医薬品開発の全てのステップで深刻な問題を起こす.例えば,ドラッグデザインに必要な立体構造が決定できなくなる.低分子量のスルホベタイン類(以下SB類と略す)はタンパク質の凝集を防ぐ事からX線結晶解析やNMRで利用されているが,凝集防止メカニズムは不明である.本研究ではSB類がタンパク質の凝集を防止するメカニズムを明らかにするために,タンパク質の構造,特にループ部分の運動性にSB類が及ぼす効果を詳細に解析した.また,グリセロールなどに代表されるオスモライトが安定化する各種のメカニズムをスルホベタインが有するかを解析しオスモライトと比較した. スルホベタインはタンパク質のループ部分を固定することにより,タンパク質分子どうしの絡まりを防止する(凝集を防止する)と予想していたが,NMR測定とタンパク質の限定分解解析により,スルホベタインはむしろループ部分の運動性を高めることがわかった. オスモライトの1つの安定化メカニズムはタンパク質の分子をコンパクトにすることであり,スルホベタインもコンパクトにできるが,スルポベタインのコンパクト効果はオスモライトに比べて小さいことがわかった.一方,ペプチド結合の溶解度を下げる効果はスルホベタインの方が高かった.以上より,スルホベタインのタンパク質安定化効果はオスモライトとは異なることが強く示唆された. スルホベタインのタンパク質安定化メカニズムはオスモライトとは異なることから,スルホベタインの化学構造を変えることによって,より安定化効果の高いスルホベタインがデザインできると期待される.それはタンパク質の立体構造解析や医薬品としての利用を促進すると期待される.
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 各種NDSBがタンパク質の凝集防止と安定化に及ぼす効果2011
Author(s)
若松馨, 五十嵐麗樹, 金子敬輔, 高橋雅彦, 真井隆徳, 手塚福栄, 中沢和磨, 高橋玲羅, 王海梅, 石井毅, 細田和男, 寺脇慎一, 行木信一, 窪田健二
Organizer
第84回日本生化学会大会
Place of Presentation
国立京都国際会館
Year and Date
2011-09-22
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[Presentation] 蛋白質安定化剤NDSB類が及ぼす種々の効果および蛋白質ハンドリングへの応用2011
Author(s)
若松馨, 五十嵐麗樹, 金子敬輔, 神谷歩, 王海梅, 高橋雅彦, 真井隆徳, 手塚福栄, 中沢和磨, 石井毅, 窪田健二
Organizer
第11回蛋白質科学会年会
Place of Presentation
ホテル阪急エキスポパーク
Year and Date
2011-06-08