2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の発生後期における背腹パターン形成機構の解明
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21570219
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 敦子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20376552)
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Keywords | 背腹パターン / メダカ / Da変異体 / 体節 / 発生後期 / Zic遺伝子 / 外部形態 / 脊椎動物 |
Research Abstract |
脊椎動物の体幹部で見られる背腹パターンは発生過程において決定される。発生期における背腹軸形成メカニズムについては知見が多いが、発生後期において初期に決定された背腹のパターンがどのようなメカニズムで実際の背腹の違いを生むのかは、いまだに不明な点が多い。そこで、発生後期において体幹部背側の外部形態が腹側化するメダカ自然突然変異体Double anal fin(Da)に着目した。Da変異体の原因遺伝子は大塚らの研究によって174kbに狭められており、ここにはzic1とzic4のみが存在している。しかしこれらの遺伝子には変異は見つかっていなかった。Da変異体では体節におけるzic1およびzic4のみが特異的に低下している。そこで本年度はDa変異体がzic1およびzic4のエンハンサー領域の変異体であることを証明しようとした。まず、Da由来のfosmidライブラリーを構築し、zic1およびzic4周辺領域をinsertとして含んでいるようなfosmidクローンをスクリーニングした。これらからショットガンライブラリーを作成し、配列を決定した。その結果、Daではzic4の下流に45kb以上のトランスポゾンが挿入されていることがわかった。このトランスポゾンは新規のものでありAlbatrossと命名した。次にこの位置から下流の配列を除いたBACを作成し、トランスジェニックを作成したところ、体節における発現のみが消失した。さらにzic1およびzic4を含むBACをDa変異体に導入したところ、表現型が完全にレスキューされた。以上からDaはzic1およびzic4のエンハンサーの変異体であることが示された。
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Research Products
(4 results)