2009 Fiscal Year Annual Research Report
性決定元祖遺伝子の双方向進化-精巣および卵巣決定-
Project/Area Number |
21570239
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三浦 郁夫 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10173973)
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Keywords | 性決定 / SRY / 卵巣決定 / SOX3 |
Research Abstract |
哺乳類の精巣決定遺伝子SRYはSOX3遺伝子か進化したことが知られている。ツチガエルの1つの地域集団は雌ヘテロ(ZZ/ZW型)の性決定機構を有し、SOX3遺伝子がZW性染色体に存在すること、しかも、性決定期にはZW幼生の生殖腺で強く発現することから、SOX3遺伝子の卵巣決定機能が示唆されている。そこで、本年度は、ツチガエルSOX3遺伝子のゲノム構造、とくにZ-SOX3とW-SOX3間で調節領域の比較解析を行った。ゲノムサザン解析の結果、BamHI酵素で切断した場合、SOX3遺伝子を含む12kbpの断片が切り出されることが判明したので、ZW雌のBamHI-12kbpDNA断片をファージベクターλFixに導入してゲノムライブラリーを作成した。Sox3DNAプローブでスクリーニングした結果、W-SOX3を含むクローンを2個、Z-SOX3を一個得た。制限酵素地図からSOX3遺伝子の5'上流3.5kbpを含むことがわかったため、塩基配列を決定し、ZとW遺伝子間の違いを調べた。その結果、ZとWともに上流300bpの配列はほぼ完全に一致していたが、約1kb上流ではW-SOX3に2種類の7塩基のエレメントが存在し、しかも両者はお互いにほぼ完全なパリンドローム構造を示した。一方、Z-SOX3ではその部分が完全に欠失していた。また、約0.5kbp上流では、逆にZ-SOX3だけに特異的な35塩基の配列が2種類存在した。これらの配列がZとW-SOX3発現の違いを誘導している可能性が示唆される。そこで、トランスジェネシスによる解析を行うため、得られた断片を利用して導入コンストラクトを作成した。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] The W chromosome evolution and sex-linked gene expression in the Japanese frog Rana rugosa2009
Author(s)
Miura, I., Ezaz, T., Ohtani, H., Uno, Y., Nishida, N., Matsuda, Y., Graves, JAM
Organizer
Fifth international syumposium on the biology of vertebrate sex determination
Place of Presentation
Kona, Hawaii, USA
Year and Date
2009-04-23