2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本各地の縄文系対弥生系人口比率と日本人成立過程;ミトコンドリアDNAによる
Project/Area Number |
21570243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
針原 伸二 東京大学, 理学系研究科, 助教 (40198932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住 斉 筑波大学, 名誉教授 (10134206)
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教 (90223297)
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Keywords | 分子・遺伝 / 地理的多様性 |
Research Abstract |
前年度までに、飛騨人のミトコンドリアDNA(mtDNAと略す)とY染色体DNAを抽出するための口腔粘膜試料収集数を千百に高めた。その内の約570人分につき、mtDNAのDループ領域(約1,300塩に対に渡る中立部分)全体における塩基配列多型を調べ、そのハプログループ分けを行った。これにより求められたハプログループ出現頻度分布は相当に信頼性の高いものになって来た。飛騨における当該分布と日本の他の地域における当該分布から日本列島各地における縄文系対弥生系人口比率を決めるための方法は前々々年度において本研究に関わる研究者全員で考察したので、本研究により得られた飛騨における当該分布と文献に発表されている他地域における当該分布から、日本列島各地における縄文系対弥生系人口比率を求めた。その比率は、飛騨における解析数が570に達したことより、次第に信頼性の高いものになりつつある。しかし、その比率の計算には解析数の少なさから来る統計的ゆらぎがあり、その比率を論文発表出来るには、解析数が700を越える必要があることがこの比率を計算する過程において次第に明らかになって来た。 日本列島各地におけるmtDNAの塩に配列多型に関わるハプログループ出現頻度分布は、縄文系の人たちと弥生系の人たちの寄与の和になっている。しかし、両者の寄与を分ける方法は今まで見つかっていなかった。飛騨における当該分布と、日本の他地域における分布から、それらを両者の和に分ける方法を前年度に本研究に関わる研究者全員で考察したので、その方法を使って、日本各地において縄文系の人たちのみおよび弥生系の人たちのみにおけるハプログループ出現頻度分布を求めることができた。しかし、その計算には上述の比率の計算よりも統計的ゆらぎが入り易いので、信頼出来る結果を得るには飛騨における解析数を700よりもっと千に近づけなければならないことが解って来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、論文発表に値する信頼性ある結果を得るには、飛騨におけるmtDNA塩に配列多型ハプログループ解析数が十分に千に近いことが必要であるが、その解析数は前年度までに約570に達している。残されたあと2年間の研究期間により、解析数を十分に千に近づけることが可能であると思われるから。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で述べたように、論文発表に値する信頼性ある結果を得るには、飛騨におけるmtDNA塩基配列多型ハプログループ解析数が十分に千に近いことが必要なので、今後の研究の推進方策は、解析数を十分に千に近づけることが第一である。それさえ出来れば、日本各地における縄文系の人たちと弥生系の人たちの比率、および縄文系の人たちのみおよび弥生系の人たちのみにおけるmtDNAハプログループ出現頻度分布を求める方法は、本研究の一環として、本研究担当者により既に開発されたからである。
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Research Products
(11 results)