2010 Fiscal Year Annual Research Report
メラノプシンを含む神経節細胞の非視覚系および視覚系への寄与の解明
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21570247
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
辻村 誠一 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10381154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塗木 淳夫 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (50336319)
湯ノ口 万友 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10094187)
森田 健 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20326474)
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Keywords | メラノプシン神経節細胞 / ERG / 瞳孔反応潜時 |
Research Abstract |
本年度は、メラノプシン神経節細胞起因のERGに関する論文を出版できた(Fukuda他:Neurosci Letter 479, 282-286, (2010))。このことにより、メラノプシン神経節細胞の活動をERGによってモニターできることが示された。この成果はERGのみならずfMRIやMEGに応用可能であることが示唆される。また、多原色光源装置の開発については、先行研究で開発した試作機を高輝度、高コントラストの刺激に対応させるために改良した。装置の大きな改良点は具体的には2個の積分球を用いて背景の輝度を高くし、その背景にテスト刺激を重ねて提示することによって、かん体細胞の寄与を最小限に抑え、メラノプシン神経節細胞の機能の分離に成功した。成果を論文にまとめ、英文誌にアクセプトされた(Tsujimura他,Ophthalmic and Physiological Optics)。背景が高輝度になったため、見かけ上のコントラストは低下したが、比較的大きな瞳孔反応が生じることがわかった。それらの瞳孔反応はメラノプシン神経節細胞を選択的に刺激した場合、200ms程度の潜時の遅れが生じことがわかった。また、刺激を矩形波にするか正弦波にするかによってその挙動は大きく異なることを示した。積分球は背景刺激提示用とテスト刺激提示用、それぞれ別々に開発し、用いているLEDのピーク波長はそれぞれ異なるが、現在、同じピーク波長のLEDを用いたシステムを開発中である。このシステムにより視覚系の初期メカニズムである色メカニズムや輝度メカニズムとメラノプシン神経節細胞との機能的な関連性が明らかになることが期待される。
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