2011 Fiscal Year Annual Research Report
生理的多型性の観点からみた人工環境への環境適応能に関する実験的研究
Project/Area Number |
21570249
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
大中 忠勝 福岡女子大学, 人間環境学研究科, 教授 (20112716)
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Keywords | 暑がり / 住宅熱環境 / 皮膚温 / 温冷感 / 快適感 / 発汗 / 住まい方 |
Research Abstract |
日常の温熱環境や体質と温熱適応能について、フィールド調査により検討した。 青年女子90名に対して暑がり等についてのアンケート調査を行い、10名の暑がり(HS群)と10名の非暑がり(NS群)を被験者として選出した。彼女らの住宅の温熱環境を7月から8月にかけて1週間、10分毎に測定した。同時に、住宅に滞在する間に約1時間ごとに皮膚温(身体7か所)、温冷感、快適感、発汗感、室温の希望度を記録した。皮膚温は放射温度計により、被験者自身が測定・記録した。また、着用した衣服を室内用、外出時に分けて記述させ、衣服量(Clo値)を算出した。 得られた結果は、(1)HS群が温熱的中立(暑くも寒くもない)とした室温は平均27.2℃、NS群は28.3℃であり、HS群では低い室温を好んだ。また、温熱的快適性が維持できる室温はHS群28.5℃以下、NS群が29.7℃であった。(2)温熱的中立である平均皮膚温34℃が得られた室温は、HS群では31.2℃、NS群では28.7℃であった。(3)発汗を感じた時の室温は、HS群では30.1(標準偏差2.39)℃、NS群では30.7(1.81)℃であり、HS群は汗をかきやすい傾向が示された。(4)室温をこのまま維持したいとした時の室温はHS群27.9(2.15)℃、NS群は28.5(1.87)℃であり、これ以上の室温ではエアコンを使用することが多かった。 これらの結果は実験室実験で得られた「暑がりは暑熱曝露時に皮膚血管拡張が十分でなく、放熱が抑制される傾向にある」との特徴が、住まい方にも影響を与え、エアコン等を使用して住宅内の室温を低く保ち、温熱快適性を維持する傾向にあることが示された。
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Research Products
(3 results)