2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580027
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡辺 均 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 准教授 (80301092)
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Keywords | 園芸学 / 水質汚濁防止 / 環境分析 / 土壌学 / 屋上緑化 / シバ |
Research Abstract |
(1)特殊環境下での土壌水分および土壌成分の動態の解析 特殊緑化に施工されている主要な土壌である人工軽量土壌(パーライト+ピートモス)を基本とする数種の屋上緑化土壌を用いて、屋内で灌水を行ない肥料成分の流亡量を調査した。その結果、用土厚10cmの屋上緑化薄層基盤花壇1m^2に換算すると438~688Lの降雨もしくは灌水で、用土中のほとんどの肥料成分が流亡することが明らかとなった。 さらに、屋上緑化土壌をその素材ごと分け、肥料成分流亡の原因の特定を試みた。その結果、バーク堆肥の肥料成分量が最も高いことから、屋上緑化では保肥力と保水力を維持しつつ、肥料成分の初期流亡を抑制する土壌設計が必要であることが明らかとなった。 (2)生育調査 (1)の結果から、実際にシバを生育させた条件下で屋上緑化向けの数種の用土の検討を行なった。シバの生育および品質については、有意な違いは見らなかった。特にシバを用いた屋上緑化では、メンテナンスフリーもしくは低管理型が求められており、施肥量を抑制し、シバの緑を維持させつつ、植物体の伸長を抑制する土壌設計が必要であることが示された。 (3)特殊緑化土壌の経時変化、経年変化 施工後、1~10年が経過した屋上花壇(軽量土壌使用・シバ植栽)を数カ月おきに調査し、土壌調査と植物の生育状況の調査を行った。また、植栽されている植物の品質を評価した。パーライト主体の屋上緑化土壌では、経時的な用土の劣化は確認されなかった。 以上の今年度の調査から、屋上緑化土壌の設計は、肥料成分の流亡を抑制しながら、植物の種類や生育、品質維持を考慮した土壌設計と肥料の供給が必要であることが明らかとなった。
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