2009 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアの環境適応に果たすHtpG(Hsp90)の役割
Project/Area Number |
21580083
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仲本 準 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30192678)
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Keywords | 応用微生物 / 環境 / ストレス / 進化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
真核生物の細胞増殖や分化において必須の機能を果たすHsp90の祖先タンパク質はHtpGであるが、大腸菌や枯草菌等の従属栄養真正細菌におけるHtpGの機能は不明である。これに対して我々は、独立栄養真正細菌であるシアノバクテリア(藍藻)のHtpGが環境応答において重要な働きをすることを見出したが、その分子機構は解明されていない。本研究では、HtpGが、DnaJ2(Hsp40)などのコシャペロンを介して、多様な基質タンパク質と特異的に相互作用し、それらの機能や安定性を調節することで環境応答における重要な働きをするという作業仮説をたて、これを実験的に検証することを目的とする。 シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942株のHtpGやDnaJ2に加え、DnaK2やDnaJ1を大量発現する大腸菌株を構築した。これらのタンパク質を含む細胞抽出液や精製タンパク質を用いたプルダウン法や免疫沈降法により、HtpGとDnaJ1、HtpGとDnaJ2、HtpGとDnaK2、及びDnaK2とDnaJ2間の相互作用を明らかにした。表面プラズモン共鳴バイオセンサー(BIACORE)を用いてHtpG/DnaJ2及びDnaK2/DnaJ2間の結合定数を算出したところ、DnaJ2はHtpGに対してより高い親和性を示すことが明らかになった。これらを総合すると、HtpGがDnaJ2のみならず、DnaJ1やDnaK2を介して他のタンパク質と相互作用すること、さらにはHtpGを中心としたタンパク質間ネットワークが存在することが示唆される。HtpGは、DnaJ2などのコシャペロンを介して多様な基質タンパク質と複合体を形成すると仮定したが、現在、HAタグを融合したDnaJ2を発現するシアノバクテリア変異株等を用いて、プルダウン法等によりDnaJ2と相互作用するタンパク質を探索している。
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Research Products
(10 results)