2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞体関連分解ユビキチンリガーゼの基質認識機構の解析
Project/Area Number |
21580121
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉田 雪子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (90271543)
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Keywords | F-box蛋白質 / 小胞体関連分解 / ユビキチンリガーゼ / 糖鎖 / 基質認識 |
Research Abstract |
私達が見出した糖鎖を認識するF-box蛋白質Fbs1及びFbs2は、構造が異常な蛋白質を分解に導く小胞体関連分解機構に於いて働くユビキチンリガーゼを構成する基質認識サブユニットである。これらは異常蛋白質の糖鎖を認識するものである。本研究に於いては、第三の糖鎖認識F-box蛋白質Fbs3の基質認識機構に関して研究を行った。Fbs1,2,3の認識する基質を比較するため、これらの蛋白質と結合する蛋白質のプロテオミクス解析を行った。その結果、共通する基質蛋白質は多くあるものの、それぞれのF-box蛋白質と特異的に結合する糖タンパク質をいくつか見出した。Fbs3と特異的に結合するトランスフェリン受容体(TFRC)の解析を行ったところ、Fbs1,2とは異なり、一度細胞表層に現れた受容体がエンドサイトーシスにより取り込まれたものがFbs3と結合することがわかった。すなわち、Fbs3は小胞体関連分解のみならず他の局面でも機能するリガーゼである可能性が考えられる。エンドサイトーシスされた蛋白質が細胞質に現れる経路は未知であるため、今後この系を用いて詳細に解析を進める。神経細胞特異的に高い発現が認められるFbs1に関して、SCF複合体以外の複合体を形成するとの報告が最近あった。我々もそれとは別に、Fbs1がSCFとは異なる複合体を形成する事を見出しているため、それらの複合体の局在の違いなどをin vivoイメージングにより解析する系も本年度に確立し、次年度に向けて解析中である。
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