2009 Fiscal Year Annual Research Report
コケ植物におけるジャスモン酸の生合成及び生理機能の解明
Project/Area Number |
21580123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 公咲 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (30374622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 英幸 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (20344492)
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Keywords | コケ植物 / ジャスモン酸 |
Research Abstract |
(1)ヒメツリガネゴケのジャスモン酸生合成酵素の一種であるアレンオキシドシンターゼ(AOS)遺伝子のクローニングおよびその酵素学的諸性質の解明 ヒメツリガネゴケのゲノム情報より、ジャスモン酸生合成に関わるアレンオキシドシンターゼ遺伝子(PpAOS1及びPpAOS2)が2種存在することが推定された。そのうち、PpAOS1の組換えタンパク質の大腸菌における発現に成功した。In vitroの酵素反応で得られた反応生成物をGC-MSで確認した結果、PpAOS1はAOS活性を有することが明らかとなった。PpAOS1の至適pHは6.0であり、9-HPOTに比べ13-HPOTに対して高い基質特性を示した。また、PpAOS1とPpAOS2の遺伝子発現量を解析した結果、PpAOS1がPpAOS2に比べ発現量が多かった。また、PpAOS1の発現は高等植物と同様にジャスモン酸処理により一過的に誘導されることが明らかとなった。 (2)ヒメツリガネゴケのジャスモン酸生合成酵素の一種であるアレンオキシドシクラーゼ(AOC)遺伝子のクローニングおよびその酵素学的諸性質の解明 ヒメツリガネゴケのゲノム情報より、ジャスモン酸生合成に関わるアレンオキシドシクラーゼ遺伝子(PpAOC1、PpAOC2、およびPpAOC3)が3種存在することが推定された。これらすべての組換えタンパク質の大腸菌における発現に成功した。In vitroの酵素反応で得られた反応生成物をGC-MSで確認した結果、いずれもラセミ体のOPDAではなくジャスモン酸生合成中間体である天然型のOPDAを生産することが明らかとなり、AOC活性を有することが明らかとなった。また,これらの遺伝子発現量を解析した結果、PpAOC1とPpAOC3の発現量が多く、その発現は高等植物と同様にジャスモン酸処理により一過的に誘導されることが明らかとなった。しかしながら、PpAOC2の発現は、ほとんど確認されかった。
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