2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580160
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
竹中 麻子 Meiji University, 農学部, 准教授 (40231401)
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Keywords | ビタミンE / トコフェロール / 不安 |
Research Abstract |
食餌からのビタミンE摂取量の低下が不安行動を増加させる機構について解析を行い、以下の結果を得た。 (1)不安モデル動物に対するビタミンE摂取の影響不安行動を示すモデル動物として早期離乳ラット(幼児期のストレスモデル)を用い、ビタミンE摂取による不安抑制効果を検討した。離乳期(生後4週間)まで親と同居させる対照群に対し、生後16日齢で親から隔離する早期離乳群では不安行動が増加した。早期離乳群に通常食の50倍量のビタミンEを含む食餌を与えて離乳期から飼育したところ、不安抑制効果は認められなかった。ビタミンE投与によって不安が軽減するモデル動物も報告されていることから、不安の生じる要因によってビタミンEの不安軽減効果が異なるものと推察された。 (2)ビタミンE欠乏期間と不安行動の関連ビタミンE欠乏食を種々の期間(3日~4週間)ラットに給餌し、高架型十字迷路試験により不安行動を評価した。その結果、3日間のビタミンE欠乏食摂取で体内ビタミンE濃度が有意に低下したが、不安行動は増加しなかった。7日間の欠乏食摂取で不安を示す行動指標(stretch-out, head dipping)が変化し、14日間の欠乏で迷路上のopen armでの活動量が有意に低下した。したがって、ビタミンE欠乏による不安行動は、体内ビタミンE濃度の低下から1~2週間かけて徐々に増加することが明らかとなった。 (3)ビタミンE欠乏による不安に対する既存の抗不安薬の投与効果既存の抗不安薬[GABA(GABA-A receptor)作動薬であるベンゾジアゼピン]を1mg/kg体重、行動解析試験の30分前に腹腔内投与した。高架型十字迷路試験による行動解析の結果から、ビタミンE欠乏による不安行動はベンゾジアゼピン投与により抑制されることが示された。
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Research Products
(14 results)