2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580189
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
松井 哲哉 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20414493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並川 寛司 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90192244)
板谷 明美 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (70447861)
北村 系子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (00343814)
飯田 滋生 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, チーム長 (10370272)
平川 浩文 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (30353824)
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Keywords | ブナ / 北限 / 樹齢 / 遺伝的類縁関係 / 遺伝的浮動 / 空中写真 / 種子散布距離 / ヤマガラ |
Research Abstract |
昨年度から継続して調査、解析を行ってきた結果が明らかになりつつある。遺伝解析の結果から,最も隔離の程度が高い北限域ブナ林の3集団、三之助、ツバメの沢、裏ツバメのブナ林はそれぞれまったく違った遺伝組成になっていたことが判明した。これは3集団がそれぞれ孤立度が高く、また孤立した状態が長期間に及ぶためである。その他の集団は個々に違いはあるが、概して祖先的な遺伝組成を持っており、全体として現在の分布の大きな流れを担っていると予想された 新たに発見したチョポシナイ川のブナ林について,その長期的な変化を複数年の航空写真を用いて解析した結果、1960,1974年において樹冠が疎であった林分が,1974年以降に密になった箇所が多く見られた。また,樹冠が密になるとともに,樹冠が大きくなり,樹冠サイズの小さい単木が点在している状態から,複数の単木によってパッチを形成して行く過程が明らかとなった。 北限のブナ林である添別ブナ林において捕獲したヤマガラの行動から推定した一日の行動圏は、2.1haから6.5haと推定され,3日間全体では11.4haであった。また,一日の行動圏から推定したヤマガラによる種子散布の限界距離は,163mから529mであった。ヤマガラの平均移動速度は,6.6m/分から10.5m/分で,3日間全体では8.5m/分であった。 これらの結果から、北限域のブナの孤立林分は長期的には分布を拡大している様子が判明しつつある。
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Research Products
(8 results)