2010 Fiscal Year Annual Research Report
色落ち海苔の多糖を活用した免疫機能性食品素材の開発
Project/Area Number |
21580226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡崎 勝一郎 香川大学, 農学部, 教授 (60109733)
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Keywords | 多糖 / 免疫機能 / 海苔 / マウス / マクロファージ / 細胞性免疫 / アレルギー |
Research Abstract |
海苔から調製した多糖ポルフィランによるマウスマクロファージ様細胞あるいは脾臓細胞でのサイトカインの産生増強とヒト腸管細胞での抗炎症作用を検討した.マクロファージ様細胞株(J774.1)あるいはマウスC3H/HeN(リボ多糖LPSに対する応答性が高い)系とC3H/HeJ(LPSに対する応答性が低い)系のマウス脾臓細胞に本多糖(50μg/ml)を添加して培養1日後の培養上清中のインターロイキン(IL)-12とインターフェロン(IFN)-γを定量した.9日培養したヒト由来腸管細胞株(Caco-2)に腫瘍壊死因子(TNF)-α(0.1μg/ml)あるいは過酸化水素(60μg/ml)で刺激し本多糖を加えさらに2日間培養後,細胞間の密着結合の程度を電気抵抗値(TER)で測定するとともに炎症性のIL-8産生量を定量した.その結果,C3H/HeN系統のマウス脾臓細胞では本多糖によるIL-12とIFN-γの産生増強が認められたが,C3H/HeJ系統のマウス脾臓細胞では多糖によるIL-12とIFN-γの産生増強は認められなかった.LPS(0.1μg/ml)で刺激したマクロファージ様細胞に本多糖あるいは乳酸菌死菌体(10μg/ml)を加えると,IL-12産生の相乗効果が乳酸菌には認められたが,本多糖には認められなかった.したがって,本多糖はLPSと同様にマクロファージ上のトール様受容体4を通して免疫系を賦活化していることが示唆された.TNF-αあるいは過酸化水素で刺激したCaco-2細胞で産生増強される炎症性サイトカインであるIL-8の産生を本多糖と乳酸菌死菌菌体は抑制し,TERで測定した腸管のバリア損傷に対する抑制効果もポルフィランに認められた.以上のことから,ポルフィランには免疫賦活化作用と腸管細胞での抗炎症作用といった乳酸菌と同様な健康機能効果があると考えられた.
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Research Products
(3 results)