2010 Fiscal Year Annual Research Report
地表面排水の圃場外流出を抑制する赤土流出防止対策の開発
Project/Area Number |
21580300
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉永 安俊 琉球大学, 農学部, 教授 (80045129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 教授 (10253949)
仲村渠 将 琉球大学, 農学部, 助教 (70537555)
赤嶺 光 琉球大学, 農学部, 准教授 (90244293)
|
Keywords | 赤土等流出防止対策 / ウッドチップ / 浸透トレンチ / USLE保全係数 |
Research Abstract |
ウッドチップを充填した浸透トレンチの赤土等流出防止対策効果を検証し,その対策効果を客観的に評価した.また,水分動態をより詳細に調べるため実験圃場の一部を再造成した.具体的な研究実績は以下のとおりである. 1.前年度の実験結果はデータのばらつきが比較的大きいと考えられたため,実験結果の再現性を確かめる必要があると判断した.そこで,同じ実験条件のもとで2010年5月から7月にかけての6つの降雨を使って第2期の実験を行った.なお,同じ条件の実験を繰り返したため本年度もサツマイモの栽培を断念した. 2.対策区の流出水量と流出土量は非対策区より少なく,ウッドチップを充填した浸透トレンチが効果的な発生源対策であることを再確認することができた. 3.30cm区と90cm区の流出土量と流出水量を比較した結果,90cm区の方が流出量は少なかった.また降雨中の浸透トレンチ内部の空き容量を調べると,30cm区より90cm区の方が空き容量は大きかった.これらのことから,浸透トレンチの容量が大きいと対策効果も大きく,これは浸透トレンチの空き容量が大きいことによる貯留効果のためであると考えられた. 4.45cm×2個区と30cm×3個区の流出水量と流出土量は90cm区より少なかった.また降雨中の空き容量は45cm×2個区と30cm×3個区のほうが90cm区より大きかった.浸透トレンチを分散配置すると斜面長が短くなるため侵食土量そのものを抑制できることと,分散することによる浸透効果の増大が空き容量を増大させることが,分散配置の対策効果増大に寄与したと考えられた. 5.ウッドチップを充填した浸透トレンチのUSLE保全係数は0.1~0.3であり,従来の赤土流出防止対策と比較して小さかった. 6.地下水位の影響が水分動態に大きな影響を与えていたため,地下水位の影響が比較的少ない場所にひとつの対策区を再造成した.
|
Research Products
(2 results)