2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞自己複製および翻訳を共に促進する新規特性タンパク質の筋肉老化予防への応用
Project/Area Number |
21580412
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
灘野 大太 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00228074)
|
Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 発現制御 / 発生・分化 / 老化 |
Research Abstract |
翻訳をつかさどるリボソームの生合成過程は厳密に制御されており、老化との深い関わりもモデル生物を中心として示唆されている。しかしながら、その詳細なメカニズムについては未解明の部分が多く、特にリボソームを構成する二種類のサブユニットのうち40S小サブユニットの研究が遅れている。細胞自己複製および翻訳を共に促進するビスチンタンパク質は40S小サブユニットにおける18SリボソームRNAの成熟に関わることが示唆されているが、実際にどのような機能を持つかわかっていない。その解明を目的としてビスチンと相互作用するタンパク質の探索をプロテオミクス的手法を用いて試みた。グルタチオンSトランスフェラーゼとビスチンの融合タンパク質を増殖が亢進した培養細胞に発現させてプルダウン実験を行ない、ビスチンと結合するタンパク質の候補をトリプシン消化物の質量分析によって同定した。その結果、小サブユニットのリボソームタンパク質が多数同定され、同サブユニットとビスチンの結合を支持する結果が得られた。さらに、リボヌクレアーゼ処理を行なってリボソームRNA非依存的にビスチンと結合するタンパク質を解析した。その結果、小サブユニットの核外輸送に関わると推定されるタンパク質が複数同定され、ビスチンが小サブユニットの核外輸送複合体を形成することが示唆された。また、ビスチンと結合する新規タンパク質を同定した。このタンパク質をクローニングして細胞に発現させるとビスチンと同様に核小体および細胞質への局在が観察され、ビスチンと協調して作用する新たな因子であると考えられた。
|