2010 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化予防マーカーとしての葉酸関連化合物の化学発光計測法の開発と実用展開
Project/Area Number |
21590043
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 憲一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30039656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 光弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40295093)
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Keywords | ルテニウム錯体 / 化学発光 / 葉酸関連化合物 / ホモシステイン |
Research Abstract |
本研究では動脈硬化との関連が深いと考えられるホモシステインの代謝に密接に関連する葉酸の高感度分析法の開発と応用について検討した。定量手法として、前年度検討したルテニウム錯体化学発光法の精査と、実試料への適用を図った。 1)バッチ法を用いる葉酸サプリメント錠剤中の葉酸の定量:ルテニウム錯体化学発光 の基礎的応用として、サプリメント中の葉酸の定量を検討した。試薬濃度など反応条件を最適化して得られた検量線は1-50μMの範囲で良好な直線性を示した(r=0.993)。ブランク発光の3SDを検出下限とした場合、0.42μMであった。サプリメント錠剤に適用した結果、多量に共存する添加物が葉酸値に影響を及ぼすことが分かり、想定される添加物の影響を精査した。ここでは分離定量が必要であるとの結論を得た。 2)分離手法としてHPLCを検討した。FIAによる反応条件を検討し、これをHPLCに適用した。葉酸,テトラヒドロ葉酸および5-メチルテトラヒドロ葉酸の標準液を約20分で良好に分離することができ、検量線はいずれも良好な直線となった(r>0.995)。それらの検出下限は0.1-4.3μMであった。これらの感度は、5-メチルテトラヒドロ葉酸以外では赤血球など生体試料中の濃度を測定するには不足しており、更に高感度化を図る必要がある。今後、反応条件等を検討し感度を向上させるとともに、生体試料への適用を図る予定である。 本HPLC-化学発光測定法を完成し、現在別途進めているホモシステインの集団検診結果と照合し、両者の関連性を明らかにすることで動脈硬化の予防マーカーとしての葉酸の実用性を確認する。
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Research Products
(2 results)