2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス感受性チャネルTRPM2活性化による心臓の虚血-再灌流障害の増悪機構
Project/Area Number |
21590104
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
清水 俊一 Showa University, 薬学部, 准教授 (60196516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 正和 昭和大学, 薬学部, 講師 (30307061)
根来 孝治 昭和大学, 薬学部, 講師 (70218270)
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Keywords | TRPM2 / Ca2+透過性チャネル / 虚血-再灌流障害 / 心臓 / 活性酸素 |
Research Abstract |
心臓の虚血再灌流障害は、心筋梗塞の治療や心臓の手術において克服すべき課題である。本研究では、心臓の虚血再灌流障害の進展における酸化ストレス感受性チャネルTRPM2(melastatin like transient receptor potential 2)の関与について検討を行った。野生型(KO)マウスとTRPM2欠損(KO)マウスを用いて虚血再灌流モデルを作製し、再灌流24時間後の心筋壊死の大きさを比較したところ、KOマウスではWTマウスと比べて心筋壊死が強く抑制されていた。また、KOマウスはWTマウスに比べて虚血再灌流による心機能の低下が軽度であった。再灌流障害には好中球の心臓への浸潤が重要な役割を演じている。そこで、好中球の浸潤量を測定したところ、WTマウスでは多数の好中球の浸潤が認められたが、KOマウスでは抑制されていた。次に、どの細胞に存在するTRPM2が再灌流障害に関与しているのかについて検討を進めた。まず、心臓と好中球のTRPM2発現を調べたところ、好中球に発現が認められたが、心臓にはほとんど認められなかった。さらに、KOマウスにWTマウスあるいはKOマウス由来の好中球を静脈内投与後、虚血再灌流障害を誘発させたところ、WTマウス由来の好中球を導入した場合、心筋壊死の増加が観察されたが、KOマウス由来の好中球を導入した時には軽度であった。以上の結果より、虚血再灌流障害において、TRPM2活性化は好中球の心臓への浸潤を促進し心筋壊死を拡大させると考えられた。本研究の成果は、TRPM2が急性炎症性疾患である再灌流障害に関与していることをはじめて明らかにしたと同時に、TRPM2が再灌流障害の抑制薬を開発するためのターゲット分子になることを提示できたと考える。
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Research Products
(1 results)