2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病モデル系による新規内因性化学発がん要因の検索及びそのリスク評価
Project/Area Number |
21590139
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 徹志 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (90182930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷井 友尋 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10388027)
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Keywords | メイラード反応 / トリプトファン / グルコース / 変異原性 |
Research Abstract |
生体内モデルメイラード反応により変異原物質が生成するか調べるためグルコースと各種アミノ酸をリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し37℃で保温し,1週間後に反応液の変異原性をAmes法により試験した.その結果,グルコースとトリプトファンの反応物のみが変異原性を示すようになり,特にS9 mix存在下でYG1024株において活性が高かった.またその反応液にフェントン試薬を加えて反応させることにより,フェントン試薬を加えない時より顕著に強い変異原性を示すようになること分かった.そこでフェントン試薬を加えた大規模な反応液から反応生成物を分離精製するための試料を得た.反応生成物をS9 mix存在下YG1024菌株に対する変異原性を指標として各種カラムを用いて分画した.その結果,はじめの反応液の変異原性の18%に相当するCompound-1を単離することができた.Compound-1の各種スペクトルデータを測定,解析することによりその構造をアミノアゼピノキノリノン誘導体(ABAQ)と推定した.構造決定するためABAQを別途合成し,ABAQの各種スペクトルデータ及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)における保持時間を測定し,反応液から得られたCompound-1のそれらと比較した.その結果,それらが一致したことからCompound-1をABAQと同定した.別途合成したABAQの変異原性をAmes法により試験した結果,ABAQはTA98株,TA100株及びそれらのO-アセチルトランスフェラーゼ高産生株であるYG1024株,YG1029株に対してS9 mix存在下で変異原性を示すことが分かった.特にS9 mix存在下でYG1024株に対して強い活性を示し,その強さはタンパク質の加熱により精製することが知られている変異・がん原性へテロサイクリックアミンであるPhIPのそれと同程度であった.
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Research Products
(4 results)