2009 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛による虚血性神経細胞死におけるカルシウムと小胞体ストレスの関与
Project/Area Number |
21590145
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
川原 正博 Kyushu University of Health and Welfare, 薬学部, 教授 (40224828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 豊 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60293304)
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Keywords | カルシウム / 亜鉛 / 小胞体ストレス / アポトーシス / アルツハイマー病 / プリオン病 / 脳血管性認知症 / イメージング |
Research Abstract |
老齢人口の増大に伴い、老年性認知症患者数は増加の一途をたどっており、2030年には350万人を越えると推定されている。この老年性認知症の約3分の1を占める脳血管性認知症は、脳虚血後に海馬・大脳皮質などで生じる遅延性神経細胞死が原因と考えられており、脳内の亜鉛が重要な働きを持つことが判明している。従って、亜鉛による神経細胞死のメカニズムを明らかにし、これを抑制することによって、脳虚血後の遅延性神経細胞死を抑制し、最終的には脳血管性認知症を予防・治療することが可能となり得る。 申請者等のこれまでの研究結果から、亜鉛による神経細胞死には、Ca^<2+>膿度変化に基づく小胞体ストレスが関与していることが考えられ、遺伝子発現、薬理学実験、細胞内Ca^<2+>イメージング、細胞内Zn^<2+>イメージングなどの方法を総合的に駆使し、Ca^<2+>ホメオスタシスに注目して、研究を行った。 その結果、亜鉛投与前後の遺伝子発現について、DNAマイクロアレイを用いて検討した結果、亜鉛結合脳を持つメタロチオネイン、亜鉛トランスポーターZnT-1、記憶・学習に重要な働きを持ち、Ca2+流入によって発現が促進されるArc、小胞体ストレス関連遺伝子であるGADD38、p8、PERK、CHOPなど数十種の遺伝子発現が増加あるいは減少していることを見出した。また、亜鉛による神経細胞死を抑制することが判明しているピルビン酸、カルノシン、ヒスチジンはこれらの遺伝子発現を抑制した。
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[Journal Article]2010
Author(s)
Kawahara M
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Journal Title
Metals and Neurodegeneration (Editor : Shile Huang)(Research Signpost)
Pages: 15-56
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