2010 Fiscal Year Annual Research Report
1点計測による薬物動態パラメータ推定における高精度数値計算法の研究
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21590163
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 敏己 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30264964)
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Keywords | 薬物動態 / 非線形最小2乗法 / 高精度数値計算 / ベイズ推定 / TDM / PPK / コンパートメントモデル / MM消失 |
Research Abstract |
一般的なコンパートメントモデルにおけるベイズ推定による薬物動態パラメータの推定法の研究を行った。誤差のモデルとしては、正規分布モデルおよび対数正規分布モデルに対する研究を行った。ベイズ推定では、MAP法(事後確率最大法)を用いた場合に最小にすべき式が2乗和の形になるもののみを扱った。また、2乗和を最小にするための最小2乗法の数値計算法としては、緩和パラメータ付きGauss-Newton法に初期値を連続的に変化させて安定に収束させるためのパラメータを組み込んだ方法および、Levenberg_Marquardt法版に同様のパラメータを組み込んだ方法を用いた。さらに、血中濃度の数値計算においては、モデルの微分方程式が解析的に解けない場合にも計算できるようルンゲ・クッタ法を用いて計算を行った。最小2乗法の計算においては、血中濃度の微分係数が必要となるが、これに対しては4次精度の差分公式を用いた。以上の方法により、具体的には、静注、経口、筋注、点滴の1-コンパートメントモデル、点滴の2-コンパートメントモデル、静注、経口、筋注、点滴のM-M消失の1-コンパートメントモデルに対して、それぞれ正規分布モデル、対数正規分布モデルのプログラムを作成し、数値計算を行った。実際の様々な臨床データに対して数値計算による検証を行った結果、従来の方法より広い収束域を確認することができた。また血中濃度のみではなく、抹消コンパートメントの薬物量の推移も計算結果として作成し、より臨床で役立つ情報を常時出力するプログラムを作成した。
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Research Products
(4 results)