2010 Fiscal Year Annual Research Report
極性を持つ上皮細胞における頂部および基底側部細胞膜の膜微小ドメインの解析
Project/Area Number |
21590209
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
青木 武生 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70150919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 治夫 群馬大学, 医学部, 教授 (80189464)
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Keywords | MDCK細胞 / 膜微小ドメイン / アクアポリン2 / シンタキシン6 / カベオリン1 / コレステロール / RNAi / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
我々はヒトアクアポリン2(AQP2)を発現するMDCK細胞を用いて研究を行っている。この細胞では刺激前には、細胞内に存在していたアクアポリン2のプールは刺激に対して何らかの原因で頂部細胞膜に係留され、刺激除去後には細胞内の初期エンドソームに移動し、その後リサイクリングエンドソームに移動することが判っている。本研究ではアクアポリン2が頂部細胞膜に係留されるためには、カベオリンのような脂質膜ラフトドメインに属するような成分が正常に備わっていることが条件であることが判明した。成分のいくつかが欠如すると、アクアポリン2は頂部細胞膜にはほとんど係留されずに初期エンドソームへの自発的に移動することが判明した。例えばRNAiを用いたカベオリン1のノックダウンや、シンタキシン6の細胞質ドメインを過剰発現によるカベオリン発現の抑制、各種の糖脂質の合成経路阻害剤(D-PDMP,NB-DGJ,フモニシンB1)によって、このような現象を再現することが可能であることが分かった。この現象は阻害剤の濃度依存性におこる。特にフモニシンB1の場合その濃度の低い場合には、その作用は明瞭ではないが、刺激に対する反応としてアクアポリン2は頂部膜では無く、側基底部に移動していた。また頂部膜の微小ドメインはカベオリン1の過剰発現や変異体の発現によって変化し、蛍光標識したポリエチレングリコール結合コレステロールやラクトシルセラミドやGM1によってその変化を可視化すること、これらのプローブの一部はカベオリン1に変異を起こさせた場合には、ドメインへのリクルートに支障をきたすことを示すことに成功した。さらにクラスリン依存性エンドサイトーシスと関係する蛋白AP2μ2をノックダウンする方法を用いて、アクアポリン2のエンドサイトーシスは一般的なクラスリン関連エンドサイトーシスでは無いことを証明することができた。
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