2011 Fiscal Year Annual Research Report
極性を持つ上皮細胞における頂部および基底側部細胞膜の膜微小ドメインの解析
Project/Area Number |
21590209
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
青木 武生 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70150919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 治夫 帝京大学, 医学部, 教授 (80189464)
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Keywords | 膜微小ドメイン / アクアポリン2 / リサイクリングシステム / MDCK細胞 / カベオラ / シンタキシン6 / 初期エンドソーム / 糖脂質合成阻害剤 |
Research Abstract |
MDCK細胞をモデルにした極性を持った上皮細胞のおける頂部膜蛋白であるアクアポリン2蛋白と頂部膜と基底側部膜の両方に存在するカベオリン蛋白を指標に、実験を行い、それらの蛋白がどのような経路で輸送されているのかを検証した。 本年度は特にカベオリン1のノックダウンに類似した現象が、糖脂質合成阻害剤で再現できるかについて検討した。特にD-PDMPとNB-DGJについては再現性が高く、さらにD-PDMPは非常に低い濃度で効果があった。この薬品を2日間処理した細胞では、フォルスコリン刺激によって移動したアクアポリン2蛋白は、カベオリン1と共に短い時間で細胞内に取り込まれ、その一部はEEAI陽性の初期エンドソームに移動していた。また残りの蛋白はカテプシンD、Rab7陽性リソソームに移動していることが判明した。D-PDMPを作用させた細胞では、本来頂部細胞膜に存在するフロティリン2-GFPもフォルスコリン刺激で細胞内に移動した。一方、コレステロール合成阻害剤であるU18666Aを細胞に添加して、アクアポリン2とカベオリン1の局在について検討した結果、両者ともに頂部膜を経由しないでカテプシンD、Rab7陽性のリソソームに直接移動していることが判明した。この経路はカベオリン1のノックダウン時のフォルスコリン刺激後のアクアポリン2とカベオリン1の経路(初期エンドソーム後にはカテプシンD陰性、Rab11陰性の不明のエンドソーム)とは異なった経路をたどっている可能性が示唆された。この経路は本来のクラスリン関連エンドサイトーシスとは異なっている可能性があることから、Rab7やRab5のノックダウンの手法を用いての検討を要する。
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