2010 Fiscal Year Annual Research Report
Naポンプα3サブユニット遺伝子の生体機能とジストニアパーキンソニズムの分子病態
Project/Area Number |
21590239
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川上 潔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10161283)
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Keywords | ナトリウムポンプα3サブユニット / 小脳 / プルキンエ細胞 / シナプス伝達 / カルシウム / 発現部位 / c-Fos |
Research Abstract |
(1) Atp1a3欠損ヘテロマウスにおける小脳でのシナプス機能およびジストニア誘起に対する感受性の変化を検証した。 1-1 小脳のスライス標本を作製し、プルキンエ細胞へ投射する抑制性シナプスについて、電気生理学的な解析を行った。ヘテロマウスでは、シナプス伝達の頻度が野生型よりも亢進していた。 1-2 カイニン酸を脳内投与し、ジストニアを誘起したところ、ヘテロマウスのほうが野生型よりもジストニアの強度が強く、また持続時間が長くなった。 1-3 CaチャンネルのアゴニストBayK8644を投与してジストニアを誘起したところ、同様の効果が観察され、ジストニアの誘起にカルシウムが関わることが示唆された。 (2) Atp1a3欠損ホモマウスの神経活動の異常と遺伝子産物の局在の解析を解析した。 Atp1a3欠損ホモマウスは生直後に呼吸不全を引き起こし死亡する。これらの原因を特定するためにAtp1a3のmRNAとタンパク質の局在、神経興奮の起きやすい場所の特定を試みた。 2-1 Atp1a3が脳内のどの部位で豊富に発現しているかを、in situハイブリダイゼーションと抗体染色とで解析したところ、嗅球、梨状野、海馬、小脳で強い発現が観察された。 2-2 胎生期のマウスから脳を摘出し潅留固定の後、組織切片を作成した。c-Fos抗体を用いた抗体染色を行い、野生型とホモマウスとで神経活動に違いのある領域として、小脳の辺縁部が特定できた。 2-3 Atp1a2Atp1a3二重欠損マウスの胎生期の脳を単離し、野生型および単独欠損マウスと比較したところ、脳室の拡大が観察された。
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Research Products
(2 results)