2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590250
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小山 純正 Fukushima University, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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Keywords | 脳・神経 / レム睡眠 / 自律神経系 / 情動 / 夢 / 扁桃体 / 徐波睡眠 / ラット |
Research Abstract |
扁桃体は、攻撃、威嚇、逃避といった情動反応や、それに伴う自律神経系の反応の発現に関与している。ヒトでは、レム睡眠中に扁桃体の活動が上昇することが報告されており、扁桃体では、レム睡眠中に、覚醒時の情動反応に対応するような(夢の発現に密接に関連するような)機構が働いていると考えられる。本研究では、レム睡眠時の情動変化(夢発現)における扁桃体の役割を明らかにすることを目的とし、21年度は、覚醒および正常睡眠(特にレム睡眠)における扁桃体ニューロンの活動を記録解析した。 頭部に装着したプレートでラットを脳定位装置に固定する。ラットはこの状態でも睡眠を行うので、ガラス電極を用いて、睡眠・覚醒中の扁桃体ニューロンの活動を記録した。 扁桃体の基底外側核では、睡眠・覚醒の各相において5Hz以下の低い活動を示すニューロンが多く記録されたが、約1/3がレム睡眠時に最も高い活動を示した(REM activeニューロン)。中心核においても、多くは5Hz以下の低頻度発火を示したが、覚醒時に最も高い活動を示すもの、徐波睡眠時にもっとも高い活動を示すものも少数記録できた。内側核では、特徴的な活動を示すニューロンは見られなかった。REM activeニューロンには、レム睡眠が開始する前から活動が上昇するものと、レム睡眠が始まってから(レム睡眠中に)不規則な相動的発火を示すものが見られた。前者は、レム睡眠の開始に関連するニューロンと考えられる。後者は、急速眼球運動、血圧、心拍等の自律神経系変動、陰茎勃起など、レム睡眠中におこる相動的な変動に関連するニューロンと考えられる。以上の結果は、扁桃体ニューロンがレム睡眠中の情動変化に密接に関連していることを示唆する。
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Research Products
(14 results)