2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ストレスとうつ病:香料吸入の予防効果とその機序に関する研究
Project/Area Number |
21590255
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
渡邊 達生 Tottori University, 医学部, 教授 (60182929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 信介 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60194817)
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助教 (20093627)
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Keywords | ストレス / うつ病 / 視床下部 / 下垂体 / 副腎 / 緑の香り |
Research Abstract |
慢性ストレスとうつ病との関連が想定されている。具体的には、うつ病の発症に、慢性ストレスによる視床下部・下垂体・副腎系(HPA系)の活性上昇が関与すると推察されている。一方、緑の香りにはストレス緩和作用がある。本研究は、慢性ストレス負荷ラットが緑の香りを嗅ぐことにより、HPA系の活性上昇が防止でき、うつ病が予防できるか否かを検討するのを目的とする。本年度は、ラットに対して1日3分間の水泳を7日間負荷し(慢性ストレス)、うつ病モデルラットを作成した。うつ病を発症させた後に5日間、毎日、緑の香りあるいはそのvehicleを5時間嗅がせた(ただし、水泳は負荷しない)。6日目に再度、水泳試験を行ない無動時間(うつ病の指標)を測定した。その結果、vehicle群ではうつ状態が持続していることが確認された。しかし、緑の香りを嗅がせても、うつ状態に変化が認められなかった。すなわち、出来上がったうつ病への緑の香りの治癒効果は確認できなかった。そこで次に、1日3分間の水泳負荷直後に緑の香りあるいはそのvehicleをラットに5時間嗅がせた。これを7日間繰り返した。vehicle群で観察された無動時間の増加は、緑の香りを嗅がせても抑制できなかった。したがって、この条件では緑の香りにうつ病の予防効果も確認できなかった。今年度は、うつ病モデル動物への緑の香りの予防・治癒効果を観察した後に、うつ病ラットのHPA系の活性上昇が緑の香りにより緩和されるか否かを検討する予定であった。今後は早急に、うつ病ラットへの緑の香りの予防・治癒効果を確認する実験条件を確立する予定である。
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Research Products
(4 results)