2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ストレスとうつ病:香料吸入の予防効果とその機序に関する研究
Project/Area Number |
21590255
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
渡邊 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 信介 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60194817)
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助教 (20093627)
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Keywords | 緑の香り / うつ病 / ストレス / 強制水泳試験 / 学習性無力試験 / immobility time / failure / ラット |
Research Abstract |
代表的な精神疾患の一つであるうつ病は、個人の生活の質の低下だけでなく、自殺の介在要因ともなる病であり、その主因としてストレスが重要視されている。一方、香料の一つである緑の香り(青葉アルコール/青葉アルデヒド)にはストレス緩和作用がある。実際、緑の香りはストレスによる視床下部-下垂体-副腎系の活性化を抑制する。私たちは、うつ状態にしたラットに緑の香りをかがせうつ病の治癒効果があるか、また、うつ病モデルラット作成時に緑の香りをかがせうつ病の予防効果があるか否かについて検討した。具体的には、うつ病の治癒効果を調べる実験では、強制水泳試験と学習性無力試験の二つの方法でラットをうつ状態とし、ラットに緑の香りを10~11日間かがせる群とかがせない群を用意した。実験の最終日に再び強制水泳試験または学習性無力試験を行い、うつ状態の判定を行なった。その結果、緑の香りをかがせた群において強制水泳試験ではimmobility timeが減少し、学習性無力試験ではfailureの回数が減少した。さらに、うつ病の予防効果を検討する実験では、強制水泳試験を10日間行いながら緑の香りをかがせる群とかがせない群でimmobility timeを比較した。その結果、緑の香りをかがせた群では6日目以降のimmobility timeが抑制された。以上の結果から、緑の香りにはうつ病の治癒効果と予防効果の両者があるものと考えられる。
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Research Products
(9 results)