2010 Fiscal Year Annual Research Report
中鎖脂肪酸による筋固有熱産生機構:中鎖脂肪酸の筋特異的受容体の同定
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21590257
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 裕司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70294725)
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Keywords | 中鎖脂肪酸 / 骨格筋 / UCP / PDK4 / 肥満 |
Research Abstract |
肥満は、糖尿病などメタボリックシンドロームの発症原因である。肥満を防ぐには、適度な運動や食事(とくに脂質)の制限が有効であるが、ストレス社会の現代ではこれらを実行できている人々は少ない。申請者らは、食事制限以外の栄養法による抗肥満について研究を行ってきた(Hirasaka et al. Diabetes,2007,Abe et al. Diabetes in revision)。その研究を発展させ、本研究では抗肥満効果の高い中鎖脂肪酸の新規作用を解析した。昨年度は、筋細胞レベルでの中鎖脂肪酸の効果を解析した結果、中鎖脂肪酸は筋細胞を糖代謝優位から脂質代謝優位に傾けるPDK4の発現を上昇させることなく、熱産生を誘導するUCP3の発現を上昇させるという知見を得た。本年度は、同様の作用がin vivoでも確認できるかどうかを検討した。マウスに長鎖脂肪酸を多く含む食餌と中鎖脂肪酸を多く含む食餌を与えた。長鎖脂肪酸群に対して、中鎖脂肪酸群の体重は小さく、インスリン抵抗性も中鎖脂肪酸群のマウスに起こりにくかった。筋細胞の遺伝子誘導も長鎖脂肪酸と同等のUCP3発現誘導能を確認した。以上の結果より、中鎖脂肪酸は、in vivoにおいても、肝臓ですぐに代謝されるのではなく、骨格筋に直接作用している可能性が示唆された。最終年度は、中鎖脂肪酸でも、C12に富むもの、C10とC8に富むものがあるので、この両者の違いについて検討する予定である。
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Research Products
(11 results)