2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工血管管腔狭窄における機序の解明とキマーゼ阻害薬を中心とした治療法の探索
Project/Area Number |
21590295
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
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Keywords | 人工血管 / PTEE / グラシル / 血管内膜肥厚 / アンジオテンシンII / アンジオテンシン変換酵素(ACE) / キマーゼ / グラフト |
Research Abstract |
これまでは人工血管移植後の血管内膜肥厚部位とその周辺部における多数のキマーゼ陽性細胞の集積、アンジオテンシンIIおよびTGF-B1の増加を確認し、本モデルにおけるキマーゼ阻害薬の有効性を裏付けてきた。平成23年度の目的は、キマーゼ阻害薬にそれぞれAngII受容体拮抗薬やACE阻害薬を併用し、それぞれの併用効果を検討することにより人工血管移植後の血管狭窄に対するより有効な治療法の模索であった。方法として、イヌを用いてPTFE人工血管を頸部動静脈間に移植し、いずれの群において人工血管周囲にキマーゼ徐放剤(Suc-Val-Pro-Phe(P)(OPh)(2),1mg/body)とポルフィールの混合液を塗布した。ACE阻害薬の投与群としてトランドラプリル(1mg/kg/per day)を、そしてアンジオテンシンII受容体拮抗群としてはカンデサルタン(1mg/kg/per day)を四カ月間経口投与した。結果として、非投与群に比べて、トータルの人工血管内内膜肥厚度合はキマーゼ徐放剤塗布群、そしてキマーゼ徐放剤にACE阻害薬あるいはアンジオテンシンII受容体拮抗併用群のいずれの群で有意に抑制された。しかし、投薬の三群間では有意な差異が認められず、今後ACE阻害薬などの投与量の調節が必要ではないかと考えている。
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Research Products
(3 results)