2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイオスタチンが織りなす骨格筋と脂肪組織の相互作用
Project/Area Number |
21590320
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
土田 邦博 Fujita Health University, 総合医科学研究所, 教授 (30281091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 直史 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (00421264)
常陸 圭介 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (10508469)
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Keywords | マイオスタチン / フォリスタチン / アクチビン / 骨格筋形成 / 脂肪細胞 / 脂肪肝抑制 / 間葉系細胞 / 難治性筋疾患 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨格筋と脂肪細胞の恒常性をダイナミックに制御している骨格筋由来の細胞増殖因子であるマイオスタチンに着目し、マイオスタチンが仲介する骨格筋と脂肪組織の相互作用を多角的に解明することにある。マイオスタチン阻害により精巣周囲、後腹膜、鼠径部の脂肪細胞の肥大化が抑制され、脂肪酸代謝系酵素の変動が確認された。マイオスタチン阻害では、高脂肪食負荷で生じる脂肪肝が観察されず、レプチン、総コレステロール、非必須遊離脂肪酸は減少し、アディポネクチンは上昇する傾向にあった。糖代謝の改善も確認された。肝臓では、ステアリン酸やパルミチン酸を不飽和化するSCD-1の低下が見られ、それに呼応して、オレイン酸の低下、ステアリン酸の上昇が見られた。申請者が発見した新規のフォリスタチン様分子FLRGとアクチビンが虚血障害における心筋の感受性に密接に関与することが判明した。アクチビンがマイオスタチン類似の筋形成抑制作用を有する事を遺伝子導入により明らかにした。次に、脂肪細胞の起源を探索する研究を行った。骨格筋と脂肪組織の恒常性維持に関する研究を計画していたため、骨格筋内に存在し脂肪細胞を供給する細胞を探索しこれまで未知であった細胞の同定に至った。筋芽細胞に分化する筋衛星細胞が脂肪細胞にも分化するという報告があったが、我々の解析では、筋衛星細胞の脂肪細胞への分化能は極めて低く、筋衛星細胞とは異なった間葉系前駆細胞が、骨格筋内の血管近傍に存在し、試験管内で白色脂肪に容易に分化することが分かった。筋形成と脂肪細胞産生のバランスを制御する新しい細胞を同定したこととなり、注目を集めた。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
A.Uezumi, K.Tsuchida.
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Journal Title
Muscle Cell Physiology(Osaka University Press)
Pages: 109-119
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