2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590377
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
稲垣 宏 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (30232507)
|
Keywords | 血液腫瘍 / マイクロRNA / 臨床病理学 / 遺伝子異常 / T細胞 |
Research Abstract |
マイクロRNAは、進化において保存されている20塩基程度の短い内在性non-coding RNAで、標的mRNAに特異的に結合し、mRNAの翻訳抑制を行い、遺伝子発現を制御している。マイクロRNAが遺伝子の少なくとも30%を制御していることや、腫瘍の発生や進展において重要な役割を持つことが次第に明らかにされてきた。われわれは4種類の成人細胞白血病/リンパ腫(ATL/L)細胞株を用いたマイクロRNAアレイ解析を行い、数種類のマイクロRNAが,ATL/L特異的に発現増加または減少していることや,ATL/L特異的染色体欠失部位に位置していることを認めた。得られたマイクロRNAの発現パターンをATL/L、非特異的末梢性T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫などのT細胞性腫瘍や多くのB細胞性腫瘍において解析したところ、細胞株にて得られたデータの一部は再現されたが、再現されないデータもあった。再現されたデータに関しては、特異性が高いと考えられ、現在さらにそれぞれのマイクロRNAの機能解析を進めている。再現されなかったデータに関しては、高発現群と低発現群に症例を分類し、両者の持つ相違について臨床病理学的特徴および予後について解析を進めている。
|