2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃がんの臨床病理学的諸性状に関連したマイクロRNAの探索とメチル化異常の解析
Project/Area Number |
21590396
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋山 好光 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
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Keywords | 胃がん / メチル化 / マイクロRNA / CpGアイランド / プロモーター領域 |
Research Abstract |
マイクロRNA(以下、miRNA)はタンパク質をコードしない約20塩基長の機能性小分子RNAの1つである。現在までにmiRNAの発現亢進や低下が多くのがんで見つかっており、これらの変化はヒトがんの発生・進展において重要と考えられている。本研究では胃がんの発症と関わるmiRNAを探索し、その発現制御機構の破綻についてエピジェネティックな面から解明することを目的とした。更に、胃がんの臨床病理学的諸性状と密接に関連するmiRNA異常を明らかにすることである。我々は、胃がん細胞株と正常胃粘膜上皮、および脱メチル化剤処理前後の胃がん細胞株を用いてmiRNAマイクロアレイを行い、胃がんで発現変化しているmiRNAの網羅的解析を行った。その結果、胃がんではmiR-212とmiR-181cの発現低下が起こっていることを明らかにした。これらmiRNAは脱メチル化剤によって発現回復したため、エピジェネティックな異常がこれらのmiRNA発現低下に関わることが示唆された。更にメチル化解析を行ったところ、miR-212では発現と一致したCpGのメチル化は検出されなかったが、miR-181cではメチル化異常が発現に密接に関わることが明らかになった。またmiR-212とmiR-181cの標的遺伝子を解析した結果、miR-212はMeCP2、miR-181cはNOTCH4やK-rasの発現を負に制御していることが解った。以上より、胃がんにおいてmiR-212、miR-181cの発現低下が重要な役割を果たしていることが示唆された。今後、miRNAのメチル化および発現異常と胃がんの臨床病理学的諸性状との関連性を更に解析する予定である。
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Research Products
(15 results)