2010 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫由来の遺伝子組換え免疫抑制因子の作用と免疫抑制機序の研究
Project/Area Number |
21590464
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入子 英幸 鳥取大学, 医学部, 助教 (60346674)
大槻 均 鳥取大学, 医学部, 講師 (80403806)
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / 免疫抑制因子 / cDNA / RACE法 / 遺伝子組み換えタンパク / 旋毛虫 / 腹腔マクロフージ / alternative activation |
Research Abstract |
我々は、これまでにマンソン裂頭条虫のプレロセルコイド(幼虫)の分泌物質中の免疫抑制因子(ES90)を精製し、この因子がlipopolysaccharide (LPS)活性化マクロファージの遺伝子発現および破骨細胞形成を抑制することを見い出した。そして、ES90のN末端と内部のアミノ酸配列の一部を決定した。そして、このアミノ酸配列を基にしたdegenerate PCRプライマーを作成し、幼虫由来のmRNAからRT-PCR法によってcDNA断片が得られた。このcDNAの塩基配列を基にして、3'RACE法および5'RACE法を用いて全長のcDNAの塩基配列を決定し、無細胞のコムギ胚芽系で遺伝子組換えタンパク質を作成したが、LPSで刺激した活性化RAW264.7マクロファージのnitrite(NO)産生の抑制作用は認められなかった。 一方、旋毛虫感染マウスでは、腹腔マクロファー数が増加し、これらのマクロファージの遺伝子発現をRT-PcR法で検討したところ、TNF-α,IL-1β,誘導型のNo合成酵素(iNos)の遺伝子発現は認められず、classical activationは起きていなかったが、FIZZ,Ym1,arginaseなどの遺伝子発現が認められ、alternative activationが起きていると考えられた。腹腔に旋毛虫の新生幼虫を注射で投与しても、旋毛虫筋肉内幼虫の経口感染と同様に腹腔マクロファージの増加とalternative activationが観察され、Th2優位な免疫応答との関連が推察された。
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