2011 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫由来の遺伝子組換え免疫抑制因子の作用と免疫抑制機序の研究
Project/Area Number |
21590464
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入子 英幸 鳥取大学, 医学部, 助教 (60346674)
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Keywords | 旋毛虫 / peroxiredoxin / 腹腔マクロファージ / alternative activation / マンソン裂頭条虫 / 免疫抑制因子 / 遺伝子組換えタンパク質 |
Research Abstract |
我々は、これまでにマンソン裂頭条虫のプレロセルコイド(幼虫)由来の免疫抑制因子(ES90)の遺伝子組換えタンパク質を作成したが、マクロファージのnitrite (NO)産生の抑制作用は認められなかった。 一方、旋毛虫感染マウスでは、腹腔マクロファー数が増加し、これらのマクロファージでは、TNF-α,IL-1β,誘導型のNO合成酵素(iNOS)の遺伝子発現は認められず、classical activationは起きていなかったが、FIZZ, Ym1, arginaseなどの遺伝子発現が認められ、alternative activationが起きていると考えられた。近年、寄生蠕虫の肝蛭由来のperoxiredoxin (PRX)がマクロファージのalternative activationを起こすとの報告があるため、我々は旋毛虫のPRXのクローニングを試み、2種類のPRXをクローニングした。Prx-1は642bpでPrx-2は588bpであり、この2つの塩基配列の一致率は57%、アミノ酸配列では53%であった。いずれのPrxもマウスや他の寄生虫で保存されている酵素活性中心付近の領域は保存されていた。また、発育ステージごとにPrxの発現を調べたところ、Prx-2は被嚢幼虫、成虫、新生幼虫の3つの発育段階で同様な発現がみられた。しかし、Prx-1は成虫や新生幼虫ではほとんど発現が認められず、被嚢幼虫でのみ強く遺伝子発現がみられ、筋肉内での被嚢幼虫の生存に関与している可能性が示唆された。
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