2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21590468
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山田 稔 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70106392)
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Keywords | 日本海裂頭条虫 / ゲノタイプ / サケ・マス類 / 年度発生数 / 季節発生数 / 年齢別発生数 / プレロセルコイド |
Research Abstract |
日本海裂頭条虫症が2010年13例,2011年5例見られた。また2010年にロシアで感染した輸入広節裂頭条虫症1例を経験した。2010年に経験した日本海裂頭条虫症13例のうち9例がゲノタイプA,4例がゲノタイプB,2011年は5例のうち4例がゲノタイプA,1例がゲノタイプBであった。ゲノタイプAが多く見られた。患者発生(患者の初診日)は一年を通して見られるが,特に4-6月にピークが見られた。全年齢層に見られるが,特に20歳未満の小児(若年齢層)や女性感染者が増加していた。2010年に調査したサケ・マス類における幼虫の寄生状況は、サクラマス6尾、シロザケ(時サケ、トキシラズ)27尾、カラフトマス6尾を調べた結果、シロザケ27尾中7尾に幼虫の感染が見られ,陽性サケ7尾中3尾が1虫体寄生、2尾が2虫体寄生、残り2尾のシロザケではそれぞれ6~7虫体が寄生していた。寄生率は12%と低率であった。2011年度サケ14尾中幼虫の感染は認めなかった。ミトコンドリアのcox1およびnd3領域の塩基配列解析により成虫同様幼虫でもゲノタイプを調べた結果,同一個体でA,B混在し,またA,Bのゲノタイプ以外にもう1つグループが見つかり,幼虫では3つのクレードに分かれることがわかった。アラスカのヒグマに寄生していた裂頭条虫は塩基配列解析を行った結果,日本海裂頭条虫と一致することが分かった。
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